薬剤師の日々研鑽

薬剤師の日々研鑽

医学部へ学士編入した薬剤師です。基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

癌疼痛治療剤ヒドロモルフォン ナルラピド錠、ナルサス錠の作用機序

第一三共プロファーマ株式会社より、麻薬性鎮痛剤ヒドロモルフォン塩酸塩の徐放性製剤(ナルサス®)、即放性製剤(ナルラピド®)が販売されました。
ヒドロモルフォン製剤は、海外で80年以上使用されてきた麻薬性鎮痛剤ですが、日本では承認されていませんでした。

【目次】

ヒドロモルフォンの作用機序

ヒドロモルフォンはμオピオイド受容体に高い親和性を示し、鎮痛作用を発揮します。
μ受容体を介して、大脳皮質知覚領域の痛覚閾値を上昇させたり、
脳幹の下行性疼痛抑制系の賦活や、視床及び脊髄後角を抑制するものと考えられています。

f:id:yashiki5296:20170701211810p:plain
ノイロトロピン錠4単位 インタビューフォーム(第7版)より引用

モルヒネと同様の作用機序のため、呼吸抑制消化管運動低下嘔気傾眠の副作用があります。


オピオイドによる便秘には、こちらの薬が併用されるかもしれません。
オピオイド誘発性便秘症治療薬 スインプロイクの作用機序 - 薬剤師の日々研鑽

薬物動態・相互作用

食後投与でCmaxは1.3倍、AUCは1.3倍に増大。


主にグルクロン酸抱合によるヒドロモルフォン-3-グルクロニドへ代謝されるが、その代謝活性はもとの約1/2280と低い。


単回経口投与から投与後48時間までの尿中に、投与量の約3%が未変化体として、投与量の約30%がグルクロン酸抱合体として排泄されています。
バイオアベイラビリティは24%であり、尿中未変化体排泄率は約12.5%。
以上より肝も腎も関与しているため、それぞれの機能障害患者は慎重投与となっています。


相互作用はモルヒネの添付文書の記載とほぼ同じで、ランクは併用注意です。

ナルサスとナルラピドの違い

ナルラピド

rapidのとおり即放性製剤
服用後およそ15~30分で作用発現。そのためレスキューとして用います。
レスキュー:定期的にオピオイドを服用していても痛みが突然出現する場合や、次の内服予定時間より前に疼痛が出現した場合などに、臨時に追加服用するための頓服薬

f:id:yashiki5296:20170701215435p:plain
ナルラピド®錠1、2、4mg 添付文書(第2版)より引用

ナルサス

sustainのとおり徐放性製剤
1日1回投与。服用1時間後ほどで作用が発現。

f:id:yashiki5296:20170701215238p:plain
ナルサス®錠2、6、12、24mg 添付文書(第2版)より引用