薬剤師の日々研鑽

薬剤師の日々研鑽

医学部へ学士編入した薬剤師が基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

ノルアドレナリンとアセチルコリンは同じGqタンパクを介するのに血管に対する作用が異なる理由

同じGq/11タンパクを介しているのに血管収縮と弛緩があるのは?

ノルアドレナリン(α1受容体に作用)やアンジオテンシンⅡ(AT1受容体に作用)、TXA2は血管平滑筋収縮に働くのに対して、
ヒスタミン(H1受容体に作用)、アセチルコリン(M1・M3受容体に作用)は血管平滑筋弛緩に働きます。
yakuzaishikensan.hatenablog.com



どちらもGq/11タンパクを介した作用のため、Gq/11⇒PLC⇒PIP2がIP3とDGに分解⇒平滑筋収縮と考えてしまうと混乱します。

実際のところ、ヒスタミンアセチルコリンなどの弛緩に働く物質は、血管内皮細胞に存在するそれぞれの受容体⇒一酸化窒素(NO)合成酵素を活性化
⇒アルギニンからNO遊離
⇒NOは分子量が小さく極性もないため細胞膜を通過して血管平滑筋へ移行
⇒血管平滑筋内でNOがグアニル酸シクラーゼ活性化
⇒グアノシン三リン酸(GTP)からcGMP(環状グアノシン一リン酸)へ
⇒Gキナーゼ活性化
⇒ATP依存性Kチャネル開口して細胞は過分極
⇒電位依存性Caチャネル閉鎖して細胞内へのCa流入が停止し、Ca濃度低下
⇒平滑筋弛緩

という経路をたどっている。