薬剤師の日々研鑽

薬剤師の日々研鑽

医学部へ学士編入した薬剤師です。基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

抗血小板と抗凝固薬の違い 女性ホルモンの影響

【目次】

血栓の種類と薬剤

血栓は、動脈血栓と静脈血栓に分かれる。
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動脈血栓は、血流が早い部位で形成され、主に血小板とフィブリンから成る。そのため白色血栓とも呼ばれる。治療標的は血小板のため、抗血小板薬を用いる。


静脈血栓は、血流が遅い部位で形成され、主に赤血球とフィブリンから成る。そのため赤色血栓とも呼ばれる。治療標的はフィブリンのため、抗凝固薬を用いる。


各ホルモンの血管および凝固へ与える影響

エストロゲンは、凝固因子などのタンパク合成を促進し凝固促進作用を有する一方、
LDLなどのコレステロール合成を抑制かつ抗酸化作用を持ち抗動脈硬化作用を有する。
→静脈血栓リスク増加


プロゲステロンコレステロール合成を促進し、糖代謝異常やインスリン抵抗性を惹起し、動脈硬化促進作用を持つ。
動脈硬化リスク増加


経口避妊薬エストロゲン製剤は、血栓リスクを下げるためにエストラジオールなど活性(力価)の高いホルモンを用いて低用量化している。
HRT療法では、エストロゲンのみだと子宮体癌リスクが高まるためにプロゲステロンを併用している。

閉経と血管

女性が50代となり閉経が起こると、エストロゲンによる抗動脈硬化作用が大幅に落ち、コレステロール合成も抑制が外れるため、その年代から脂質異常症罹患率も上昇する。