薬剤師の日々研鑽

薬剤師の日々研鑽

医学部へ学士編入した薬剤師です。基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

作用機序

HDAC阻害剤 イストダックス(ロミデプシン)の作用機序

7月3日、セルジーン社の抗悪性腫瘍剤イストダックス®(ロミデプシン)点滴静注用10mgの製造販売承認が下りました。 適応 適応は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫。末梢性T細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の一種で、リンパ球であるT細胞から発生する非…

癌疼痛治療剤ヒドロモルフォン ナルラピド錠、ナルサス錠の作用機序

第一三共プロファーマ株式会社より、麻薬性鎮痛剤ヒドロモルフォン塩酸塩の徐放性製剤(ナルサス®)、即放性製剤(ナルラピド®)が販売されました。 ヒドロモルフォン製剤は、海外で80年以上使用されてきた麻薬性鎮痛剤ですが、日本では承認されていませんで…

オピオイド誘発性便秘症治療薬 スインプロイクの作用機序 

2017年3月30日、塩野義のオピオイド誘発性便秘症治療薬スインプロイク(ナルデメジントシル酸塩)が承認されました。 1日1回の内服薬です。 オピオイド誘発性便秘症とは? 癌性疼痛の緩和に用いられているオピオイドの鎮痛作用は、主に中枢のμオピオイド受容…

ADHD治療薬  インチュニブの作用機序

2017年3月30日に塩野義とシャイアー・ジャパンから、小児の注意欠陥・多動性障害治療薬としてインチュニブ錠(グアンファシン塩酸塩)が承認されました。 注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは? 原因 不明ですが、前頭前皮質の機能異常と考えられています。 症…

【名探偵コナン】APTX4869の作用機序

名探偵コナンに出てくる、APTX4869の作用機序を考察してみました。 フィクションをガチに考察してます。生命科学系の人でないと意味が分かりにくいかも。 【目次】 APTX4869の作用機序 アポトーシスとは おおまかな流れ 分子レベルの流れ アポトーシスとAPTX…

アミティーザの作用機序とコレラ毒素

【目次】 アミティーザの作用機序 コレラ毒素の作用機序 アミティーザの作用機序 アミティーザ インタビューフォームより引用ルビプロストン(商品名アミティーザ)は、小腸上皮細胞に発現している2型塩素チャネル(ClC-2)を活性化してCl-を腸管内へ流出させ…

ヌシネルセンナトリウム(商品名スピンラザ)の作用機序

バイオジェン社が2016年12月に新薬申請した、脊髄性筋萎縮症治療薬のヌシネルセン。まだ承認はされてないようです。※7月3日追記 承認されました。商品名スピンラザアンチセンス核酸医薬品とのことですが、アンチセンス核酸医薬品とは? 単語をひとつずつ見て…

C型肝炎ウイルスと直接作用型抗ウイルス薬の作用機序

分子生物学の観点からC型肝炎ウイルスを捉えなおしてみました。 【目次】 RNA1本鎖のプラス鎖・マイナス鎖 HCVの生活環 参考文献 RNA1本鎖のプラス鎖・マイナス鎖 一本鎖RNAウイルスには、mRNAと同様に5'→3'末端方向に遺伝子がコードされているプラス鎖、 …

イナビル、タミフル、リレンザ、ラピアクタ、シンメトレルの作用機序・違い・使い分け

まだまだインフルエンザのシーズンですが、その薬にはいろいろな種類があります。 インフルエンザの感染経路とメカニズム 神奈川県衛生研究所より引用飛沫感染:感染した人のくしゃみや咳のしぶき(飛沫)が鼻や口から侵入。 接触感染:感染した人が触ったも…

ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボン、ムコフィリン(去痰薬)の作用機序と使い分け

風邪のシーズンには毎日のように去痰薬が出ます。ムコダインやムコソルバン、ビソルボン。それらの違いはどこにあるのかまとめてみました。 【目次】 構造式と作用機序 使い分け インフルエンザとの関連 参考文献 構造式と作用機序 ・N-アセチルシステイン(…

細胞接着因子と薬

細胞接着因子 セレクチン:糖鎖をリガンドとして細胞を接着する。白血球表面の糖鎖であるSLXと結合して、白血球のローリング(血管に結合して回転する過程)に関与。 ちなみに、SLXもCA19-9も糖鎖の腫瘍マーカー。つまり癌の浸潤にも関与しており、シメチジ…

アセトアミノフェン(カロナール)の作用機序・肝障害と薬物動態

アセトアミノフェン(カロナール)は頻繁に用いられる薬剤ですが、臨床で注意すべきポイントをまとめました。 【目次】 アセトアミノフェンの作用機序 物理化学的性質 薬物動態から見た有効性 肝障害の機序 危険因子 肝障害の投与量 解毒剤 アスピリン喘息 …

鎮痛剤NSAIDsの作用機序と免疫

鎮痛剤は使用頻度が高いですが、どう効くのか、何を知っておくべきなのかまとめてみました。 【目次】 PGの作用 ①発痛作用 ②発熱作用 ③催炎症作用 免疫との関わり 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の作用機序はご存知の通りシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害…

眠気のメカニズムとカフェインの作用機序 ノウリアストの作用機序

仕事中や勉強中に眠気に襲われることがありますが、一体どのように眠気がきているのか、調べてみました。 薬剤師国家試験の脳の構造とも関与してきますので、それぞれの部位がどんな働きがあるのか知ると覚えやすくなった記憶があります。 【目次】 眠気のメ…

高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)の作用機序と使い分け

高血圧治療に欠かせない薬剤であるカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)。 循環器内科や腎臓内科、神経内科や代謝内科で異なる種類の薬剤が出されますが、どんな特徴があるのか調べてみました。違いがわかると、患者さんにも説明しやすいです。 【目次】 Ca拮抗薬の…

ループ系とチアジド系利尿薬の違い

日常業務でよく目にするループ系とチアジド系。どんな性質の違い、どんな使い分けがあるのか再度学習しました。 【目次】 各部位のナトリウム(Na+)再吸収の割合 ループ系 チアジド系 利尿薬が代謝異常を引き起こすひとつのメカニズム 各部位のナトリウム(…

ビグアナイド(メトホルミン)の作用機序・チェックすべき検査項目

米国糖尿病学会(ADA)も第一選択薬としているメトホルミンについて深堀してみました。生化学や有機化学とも大いに関連してきます。 【目次】 構造と名前の由来 作用機序 用量依存性 臨床でフォローしたいポイント 参考文献 構造と名前の由来 ビグアナイドと…

SGLT2阻害薬の作用機序・副作用・エビデンス

SGLT2阻害薬とは 【目次】 そもそもSGLTとは 糖の再吸収 SGLT2阻害薬とは SGLT1をなぜ阻害しないように設計したのか 有効性に関わる因子 エビデンス そもそもSGLTとは ナトリウムーグルコース共役輸送体:SGLT(Sodium-GLucose co-Transporter)は、細胞外(…