薬剤師の日々研鑽

薬剤師の日々研鑽

医学部へ学士編入した薬剤師です。基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

効率の良い勉強法

幸運なことに、薬学部一般入学試験・薬剤師国家試験・医学部編入試験を一発で通過してこれました。 勉強法について尋ねてくださる方が多いので、自分の勉強法について振り返ってみました。 一番のコツはサクサクと繰り返すこと 細部にこだわらずに大枠から理…

薬剤師と医学部学士編入

医学部の学士編入試験に合格し、医学生として学んでいます。薬剤師が学士編入試験に有利である点を考えてみました。 学士編入試験で問われる科目を履修している 薬剤師業務が試験にも役立つ 学士編入試験で問われる科目を履修している 学士編入学試験では、…

HDAC阻害剤 イストダックス(ロミデプシン)の作用機序

7月3日、セルジーン社の抗悪性腫瘍剤イストダックス®(ロミデプシン)点滴静注用10mgの製造販売承認が下りました。 適応 適応は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫。末梢性T細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の一種で、リンパ球であるT細胞から発生する非…

一瞬!授乳中に使えない薬を調べる方法

患者さんが授乳中とわかったら、処方されている薬が母乳に移行しやすいのか、授乳中に使ってもいいのかを調べる必要が出てきますよね。 バタバタと忙しい時ほど、すぐに、わかりやすく調べられることに価値があると思います。【目次】 じっくり判断すること…

癌疼痛治療剤ヒドロモルフォン ナルラピド錠、ナルサス錠の作用機序

第一三共プロファーマ株式会社より、麻薬性鎮痛剤ヒドロモルフォン塩酸塩の徐放性製剤(ナルサス®)、即放性製剤(ナルラピド®)が販売されました。 ヒドロモルフォン製剤は、海外で80年以上使用されてきた麻薬性鎮痛剤ですが、日本では承認されていませんで…

半減期から定常状態を予測する 蓄積率を用いたやり方

薬剤師の武器の1つは何と言っても薬物動態ですよね。現場ではあまりゆっくりとPubMedで文献を探す時間もないですし、添付文書から情報を読み取れるに越したことはありません。【目次】 半減期とは?薬効との関係は? 定常状態とは? 蓄積率とは?どう使う? …

オピオイド誘発性便秘症治療薬 スインプロイクの作用機序 

2017年3月30日、塩野義のオピオイド誘発性便秘症治療薬スインプロイク(ナルデメジントシル酸塩)が承認されました。 1日1回の内服薬です。 オピオイド誘発性便秘症とは? 癌性疼痛の緩和に用いられているオピオイドの鎮痛作用は、主に中枢のμオピオイド受容…

ADHD治療薬  インチュニブの作用機序

2017年3月30日に塩野義とシャイアー・ジャパンから、小児の注意欠陥・多動性障害治療薬としてインチュニブ錠(グアンファシン塩酸塩)が承認されました。 注意欠陥・多動性障害(ADHD)とは? 原因 不明ですが、前頭前皮質の機能異常と考えられています。 症…

12歳未満 コデイン製剤禁忌へ

2019年より、コデインは12歳未満の小児へ投与禁忌となるようです。【目次】 禁忌となった背景 コデインの作用機序・代謝 CYP2D6の遺伝子多型 禁忌となった背景 アメリカでのコデインによる呼吸抑制などのモルヒネ関連中毒死亡例の9割が12歳未満であったため…

抗ヒスタミン薬 ビラノアとデザレックスの違い

にほんブログ村 【目次】 抗ヒスタミン薬の分類 中枢移行性の指標 H1受容体占拠率 ビラノアとデザレックスの違い ビラノアは作用発現が早い ビラノアは空腹時服用 使い勝手 参考文献 抗ヒスタミン薬の分類 開発された歴史第一世代:作用は強力だが中枢移行性…

薬剤師の勉強 スキルアップに使える書籍

薬剤師として働きだしたら独学で知識を蓄えていかなければなりません。そこで疾患や薬物動態を学ぶ上で役立つ書籍をご紹介します。【目次】 病態を学ぶ 改訂総合2版 疾患別設問式 薬剤師に必要な患者ケアの知識 病気と薬パーフェクトBOOK2012 薬物動態を学ぶ…

糸球体濾過量(GFR)とクレアチニンクリアランス(CLCr)の違い

添付文書で頻繁に見かける糸球体濾過量(GFR:Glomerular filtration rate)やクレアチニンクリアランス(CLcr)。 それらの違いや使い分けについてまとめています。 にほんブログ村 ろ過・再吸収・分泌 図のように、排泄される物質は、 糸球体でろ過され 尿…

薬剤師が知っておくべき、肝臓の検査値とその意義

薬局だとカルテは見れないために、主な情報源が患者さんになってしまいます。 疾患名も治療方針も患者さんから聞くことはできても、又聞きなので伝言ゲームのように正確性に欠けます。 だからこそ、患者さんの話をよく聞いて、持参してくださった検査値をし…

肝代謝型と腎排泄型薬剤の判断・指標

薬剤師として知っておくべき、投与される薬剤が肝代謝型なのか腎排泄型なのかの判断。 【目次】 分配係数(脂溶性か水溶性か) 尿中未変化体排泄率(排泄での腎臓の寄与の割合) バイオアベイラビリティを考慮する! 活性代謝物を考慮 参考文献 分配係数(脂…

多量アルコール(飲酒)で血糖値が低下する

飲酒によって血糖値はどうなるのか、生化学の観点から捉え直します。糖尿病にも密接に関わってきます。 【目次】 アルコールの代謝 糖新生との関わり どの程度の量なら低血糖になりにくいのか? アルコールの代謝 アルコールは、10%は呼気中に排泄され、残り…

【名探偵コナン】APTX4869の作用機序

名探偵コナンに出てくる、APTX4869の作用機序を考察してみました。 フィクションをガチに考察してます。生命科学系の人でないと意味が分かりにくいかも。 【目次】 APTX4869の作用機序 アポトーシスとは おおまかな流れ 分子レベルの流れ アポトーシスとAPTX…

COX-2選択的阻害薬と心筋梗塞リスク

高齢者などで日常的によく用いられるCOX2選択的阻害薬。そのリスクとは? 【目次】 COXの阻害による影響 エビデンス 投与量とリスク 投与期間とリスク COXの阻害による影響 COX選択性がない場合、常時発現しているCOX-1を阻害することにより胃障害・腎障害の…

アミティーザの作用機序とコレラ毒素

【目次】 アミティーザの作用機序 コレラ毒素の作用機序 アミティーザの作用機序 アミティーザ インタビューフォームより引用ルビプロストン(商品名アミティーザ)は、小腸上皮細胞に発現している2型塩素チャネル(ClC-2)を活性化してCl-を腸管内へ流出させ…

ヌシネルセンナトリウム(商品名スピンラザ)の作用機序

バイオジェン社が2016年12月に新薬申請した、脊髄性筋萎縮症治療薬のヌシネルセン。まだ承認はされてないようです。※7月3日追記 承認されました。商品名スピンラザアンチセンス核酸医薬品とのことですが、アンチセンス核酸医薬品とは? 単語をひとつずつ見て…

ノルアドレナリンとアセチルコリンは同じGqタンパクを介するのに血管に対する作用が異なる理由

同じGq/11タンパクを介しているのに血管収縮と弛緩があるのは? ノルアドレナリン(α1受容体に作用)やアンジオテンシンⅡ(AT1受容体に作用)、TXA2は血管平滑筋収縮に働くのに対して、 ヒスタミン(H1受容体に作用)、アセチルコリン(M1・M3受容体に作用…

抗血小板と抗凝固薬の違い 女性ホルモンの影響

【目次】 血栓の種類と薬剤 各ホルモンの血管および凝固へ与える影響 閉経と血管 血栓の種類と薬剤 血栓は、動脈血栓と静脈血栓に分かれる。 動脈血栓は、血流が早い部位で形成され、主に血小板とフィブリンから成る。そのため白色血栓とも呼ばれる。治療標…

B型肝炎ウイルスとマーカー

【目次】 B型肝炎ウイルスHBVの構造とマーカーの意義 HBVの生活環 B型肝炎ウイルスHBVの構造とマーカーの意義 HBVの構造は、内側から不完全二本鎖ゲノムDNA→コア(C)→カプシド→エンベロープ(E)→スパイクタンパク質(S) HBs抗原は一番外側のスパイクタン…

C型肝炎ウイルスと直接作用型抗ウイルス薬の作用機序

分子生物学の観点からC型肝炎ウイルスを捉えなおしてみました。 【目次】 RNA1本鎖のプラス鎖・マイナス鎖 HCVの生活環 参考文献 RNA1本鎖のプラス鎖・マイナス鎖 一本鎖RNAウイルスには、mRNAと同様に5'→3'末端方向に遺伝子がコードされているプラス鎖、 …

イナビル、タミフル、リレンザ、ラピアクタ、シンメトレルの作用機序・違い・使い分け

まだまだインフルエンザのシーズンですが、その薬にはいろいろな種類があります。 インフルエンザの感染経路とメカニズム 神奈川県衛生研究所より引用飛沫感染:感染した人のくしゃみや咳のしぶき(飛沫)が鼻や口から侵入。 接触感染:感染した人が触ったも…

ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボン、ムコフィリン(去痰薬)の作用機序と使い分け

風邪のシーズンには毎日のように去痰薬が出ます。ムコダインやムコソルバン、ビソルボン。それらの違いはどこにあるのかまとめてみました。 【目次】 構造式と作用機序 使い分け インフルエンザとの関連 参考文献 構造式と作用機序 ・N-アセチルシステイン(…

細胞接着因子と薬

細胞接着因子 セレクチン:糖鎖をリガンドとして細胞を接着する。白血球表面の糖鎖であるSLXと結合して、白血球のローリング(血管に結合して回転する過程)に関与。 ちなみに、SLXもCA19-9も糖鎖の腫瘍マーカー。つまり癌の浸潤にも関与しており、シメチジ…

アセトアミノフェン(カロナール)の作用機序・肝障害と薬物動態

アセトアミノフェン(カロナール)は頻繁に用いられる薬剤ですが、臨床で注意すべきポイントをまとめました。 【目次】 アセトアミノフェンの作用機序 物理化学的性質 薬物動態から見た有効性 肝障害の機序 危険因子 肝障害の投与量 解毒剤 アスピリン喘息 …

鎮痛剤NSAIDsの作用機序と免疫

鎮痛剤は使用頻度が高いですが、どう効くのか、何を知っておくべきなのかまとめてみました。 【目次】 PGの作用 ①発痛作用 ②発熱作用 ③催炎症作用 免疫との関わり 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の作用機序はご存知の通りシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害…

Gタンパク質共役型受容体ゴロとシグナル伝達

薬剤師国家試験でも問われる生物の基礎部分で、かつ薬理や薬物治療にも関係してくるGタンパク質共役型受容体。 しかしどのアゴニストがどのGタンパクと共役してるのかなかなか覚えにくいですよね。ゴロを紹介します。 暗記するだけでは今後の国家試験に対応…

眠気のメカニズムとカフェインの作用機序 ノウリアストの作用機序

仕事中や勉強中に眠気に襲われることがありますが、一体どのように眠気がきているのか、調べてみました。 薬剤師国家試験の脳の構造とも関与してきますので、それぞれの部位がどんな働きがあるのか知ると覚えやすくなった記憶があります。 【目次】 眠気のメ…