薬剤師の日々研鑽

薬剤師が基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

薬剤師のスキルアップに使える書籍

にほんブログ村 【目次】 病態を学ぶ 改訂総合2版 疾患別設問式 薬剤師に必要な患者ケアの知識 病気と薬パーフェクトBOOK2012 薬物動態を学ぶ 患者とくすりがみえる薬局薬物動態学 まちの薬局しごと集 薬物動態を推理する55Question 一歩踏みこんだ疑義照…

糸球体濾過量(GFR)とクレアチニンクリアランスの違い

添付文書で頻繁に見かける糸球体濾過量(GFR:Glomerular filtration rate)やクレアチニンクリアランス(CLcr)。 それらの違いや使い分けについて。 にほんブログ村 ろ過・再吸収・分泌 図のように、排泄される物質は、 糸球体でろ過され 尿細管で再吸収 …

薬剤師が知っておくべき、肝臓の検査値とその意義

薬局だとカルテは見れないために、主な情報源が患者さんになってしまいます。 疾患名も治療方針も患者さんから聞くことはできても、又聞きなので伝言ゲームのように正確性に欠けます。 だからこそ、患者さんの話をよく聞いて、持参してくださった検査値をし…

肝代謝型と腎排泄型薬剤の判断

薬剤師として知っておくべき、投与される薬剤が肝代謝型なのか腎排泄型なのかの判断。 【目次】 分配係数(脂溶性か水溶性か) 尿中未変化体排泄率(排泄での腎臓の寄与の割合) バイオアベイラビリティを考慮する! 活性代謝物を考慮 参考文献 分配係数(脂…

アルコール(飲酒)と血糖値

飲酒によって血糖値はどうなるのか、生化学の観点から捉え直します。糖尿病にも密接に関わってきます。 【目次】 アルコールの代謝 糖新生との関わり どの程度の量なら低血糖になりにくいのか? アルコールの代謝 アルコールは、10%は呼気中に排泄され、残り…

APTX4869の作用機序

名探偵コナンに出てくる、APTX4869の作用機序を考察してみました。 【目次】 APTX4869の作用機序 アポトーシスとは おおまかな流れ 分子レベルの流れ アポトーシスとAPTX4869 テロメアとテロメラーゼ テロメラーゼ活性とAPTX4869 iPS細胞化させている? 製剤…

COX-2選択的阻害薬と心筋梗塞リスク

高齢者などで日常的によく用いられるCOX2選択的阻害薬。そのリスクとは? 【目次】 COXの阻害による影響 エビデンス 投与量とリスク 投与期間とリスク COXの阻害による影響 COX選択性がない場合、常時発現しているCOX-1を阻害することにより胃障害・腎障害の…

アミティーザの作用機序とコレラ毒素

【目次】 アミティーザの作用機序 コレラ毒素の作用機序 アミティーザの作用機序 アミティーザ インタビューフォームより引用ルビプロストン(商品名アミティーザ)は、小腸上皮細胞に発現している2型塩素チャネル(ClC-2)を活性化してCl-を腸管内へ流出させ…

スプライシングとアンチセンス核酸医薬品 ヌシネルセンナトリウムの作用機序

バイオジェン社が2016年12月に新薬申請した、脊髄性筋萎縮症治療薬のヌシネルセン。まだ承認はされてないようです。 アンチセンス核酸医薬品とのことですが、アンチセンス核酸医薬品とは? 単語をひとつずつ見ていきましょう。 【目次】 脊髄性筋萎縮症とは…

Gq/11タンパクを介するのに血管収縮と弛緩作用どちらもあるのは?

同じGq/11タンパクを介しているのに血管収縮と弛緩があるのは? ノルアドレナリン(α1受容体に作用)やアンジオテンシンⅡ(AT1受容体に作用)、TXA2は血管平滑筋収縮に働くのに対して、 ヒスタミン(H1受容体に作用)、アセチルコリン(M1・M3受容体に作用…

抗血小板と抗凝固薬の違い 女性ホルモンの影響

【目次】 血栓の種類と薬剤 各ホルモンの血管および凝固へ与える影響 閉経と血管 血栓の種類と薬剤 血栓は、動脈血栓と静脈血栓に分かれる。 動脈血栓は、血流が早い部位で形成され、主に血小板とフィブリンから成る。そのため白色血栓とも呼ばれる。治療標…

B型肝炎ウイルスとマーカー

【目次】 B型肝炎ウイルスHBVの構造とマーカーの意義 HBVの生活環 B型肝炎ウイルスHBVの構造とマーカーの意義 HBVの構造は、内側から不完全二本鎖ゲノムDNA→コア(C)→カプシド→エンベロープ(E)→スパイクタンパク質(S) HBs抗原は一番外側のスパイクタン…

C型肝炎ウイルスと直接作用型抗ウイルス薬の作用機序

分子生物学の観点からC型肝炎ウイルスを捉えなおしてみました。 【目次】 RNA1本鎖のプラス鎖・マイナス鎖 HCVの生活環 参考文献 RNA1本鎖のプラス鎖・マイナス鎖 一本鎖RNAウイルスには、mRNAと同様に5'→3'末端方向に遺伝子がコードされているプラス鎖、 …

イナビル、タミフル、リレンザ、ラピアクタ、シンメトレルの違いと作用機序

まだまだインフルエンザのシーズンですが、その薬にはいろいろな種類があります。 インフルエンザの感染経路とメカニズム 神奈川県衛生研究所より引用飛沫感染:感染した人のくしゃみや咳のしぶき(飛沫)が鼻や口から侵入。 接触感染:感染した人が触ったも…

ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボン、ムコフィリン(去痰薬)の作用機序と使い分け

風邪のシーズンには毎日のように去痰薬が出ます。ムコダインやムコソルバン、ビソルボン。それらの違いはどこにあるのかまとめてみました。 【目次】 構造式と作用機序 使い分け インフルエンザとの関連 参考文献 構造式と作用機序 ・N-アセチルシステイン(…

細胞接着因子と薬

細胞接着因子 セレクチン:糖鎖をリガンドとして細胞を接着する。白血球表面の糖鎖であるSLXと結合して、白血球のローリング(血管に結合して回転する過程)に関与。 ちなみに、SLXもCA19-9も糖鎖の腫瘍マーカー。つまり癌の浸潤にも関与しており、シメチジ…

アセトアミノフェン(カロナール)の作用機序・肝障害と薬物動態

アセトアミノフェン(カロナール)は頻繁に用いられる薬剤ですが、臨床で注意すべきポイントをまとめました。 にほんブログ村 【目次】 アセトアミノフェンの作用機序 物理化学的性質 薬物動態から見た有効性 肝障害の投与量 危険因子 解毒剤 アスピリン喘息…

鎮痛剤NSAIDsの作用機序と免疫

鎮痛剤は使用頻度が高いですが、どう効くのか、何を知っておくべきなのかまとめてみました。 【目次】 PGの作用 ①発痛作用 ②発熱作用 ③催炎症作用 免疫との関わり 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の作用機序はご存知の通りシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害…

Gタンパク質共役型受容体ゴロとシグナル伝達

薬剤師国家試験でも問われる生物の基礎部分で、かつ薬理や薬物治療にも関係してくるGタンパク質共役型受容体。 しかしどのアゴニストがどのGタンパクと共役してるのかなかなか覚えにくいですよね。ゴロを紹介します。 暗記するだけでは今後の国家試験に対応…

眠気のメカニズムとカフェインの作用機序 ノウリアストの作用機序

仕事中や勉強中に眠気に襲われることがありますが、一体どのように眠気がきているのか、調べてみました。 薬剤師国家試験の脳の構造とも関与してきますので、それぞれの部位がどんな働きがあるのか知ると覚えやすくなった記憶があります。 【目次】 眠気のメ…

プリンペランとナウゼリンの違いと使い分け 制吐薬(吐き気止め)の作用機序

プリンペランとナウゼリンの違いについて調べてみました。 【目次】 嘔吐の病態生理と各制吐薬のメカニズム ①大脳皮質からの経路 ②化学受容器引金帯からの経路 ③前庭器からの経路 ④末梢からの経路 プリンペランとナウゼリンの違い 参考文献 嘔吐の病態生理と…

高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)の作用機序と使い分け

高血圧治療に欠かせない薬剤であるカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)。 循環器内科や腎臓内科、神経内科や代謝内科で異なる種類の薬剤が出されますが、どんな特徴があるのか調べてみました。違いがわかると、患者さんにも説明しやすいです。 【目次】 Ca拮抗薬の…

ループ系とチアジド系利尿薬の違い

日常業務でよく目にするループ系とチアジド系。どんな性質の違い、どんな使い分けがあるのか再度学習しました。 【目次】 各部位のナトリウム(Na+)再吸収の割合 ループ系 チアジド系 利尿薬が代謝異常を引き起こすひとつのメカニズム 各部位のナトリウム(…

ビグアナイド(メトホルミン)の作用機序・チェックすべき検査項目

米国糖尿病学会(ADA)も第一選択薬としているメトホルミンについて深堀してみました。生化学や有機化学とも大いに関連してきます。 【目次】 構造と名前の由来 作用機序 用量依存性 臨床でフォローしたいポイント 参考文献 構造と名前の由来 ビグアナイドと…

SGLT2阻害薬の作用機序・副作用・エビデンス

SGLT2阻害薬とは 【目次】 そもそもSGLTとは 糖の再吸収 SGLT2阻害薬とは SGLT1をなぜ阻害しないように設計したのか 有効性に関わる因子 エビデンス そもそもSGLTとは ナトリウムーグルコース共役輸送体:SGLT(Sodium-GLucose co-Transporter)は、細胞外(…

ロキソニンと授乳

ロキソニンと授乳 授乳中の方が歯痛や頭痛、風邪などでの発熱など解熱鎮痛薬であるロキソニンを服用されることがあると思います。現代はネットで検索すれば薬の添付文書が見れる時代ですので検索すると、 下の画像のように ロキソニン錠60mg 添付文書よ…

グリメピリドとグリクラジドの違い

92歳の高齢女性が心筋梗塞をきっかけにグリメピリドからグリクラジドへ変更になっていた症例を経験したため、理由を調べてみました。 【目次】 【薬物動態】 【有機化学】 SURのサブタイプとその分布 SURサブタイプへの選択性による作用の違い 参考文献 …