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薬剤師の日々研鑽

薬剤師が基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

アルコール(飲酒)と血糖値

飲酒によって血糖値はどうなるのか、生化学の観点から捉え直します。糖尿病にも密接に関わってきます。 アルコールの代謝 アルコールは、10%は呼気中に排泄され、残りの90%は肝臓で分解されます。高校化学でもあったように、 アルコール→アセトアルデヒド→酢…

APTX4869の作用機序

名探偵コナンに出てくる、APTX4869の作用機序を考察してみました。 生物を勉強しているといろいろと繋がってくるので面白いですよ。 APTX4869の作用機序 アポトーシスを誘導するとともに、テロメラーゼ活性によって細胞の増殖能力を高める。 アポトーシスと…

COX-2選択的阻害薬と心筋梗塞リスク

高齢者などで日常的によく用いられるCOX2選択的阻害薬。そのリスクとは? COXの阻害による影響 COX選択性がない場合、常時発現しているCOX-1を阻害することにより胃障害・腎障害の副作用が出る。 COX-2選択的阻害薬はCOX-1を阻害しにくいために上記の副作用…

アミティーザの作用機序とコレラ毒素

アミティーザの作用機序 ルビプロストン(商品名アミティーザ)は、小腸上皮細胞に発現している2型塩素チャネル(ClC-2)を活性化してCl-を腸管内へ流出させる。Cl-が腸管へ移動すると、電気的中性を保つためにNa+も腸管へ移動する。結果、腸管内の浸透圧が高…

スプライシングとアンチセンス核酸医薬品 ヌシネルセンナトリウムの作用機序

バイオジェン社が2016年12月に新薬申請した、脊髄性筋萎縮症治療薬のヌシネルセン。まだ承認はされてないようです。 アンチセンス核酸医薬品とのことですが、アンチセンス核酸医薬品とは? 単語をひとつずつ見ていきましょう。 脊髄性筋萎縮症とは? 脊髄の…

Gq/11タンパクを介するのに血管収縮と弛緩作用どちらもあるのは?

同じGq/11タンパクを介しているのに血管収縮と弛緩があるのは? ノルアドレナリン(α1受容体に作用)やアンジオテンシンⅡ(AT1受容体に作用)、TXA2は血管平滑筋収縮に働くのに対して、 ヒスタミン(H1受容体に作用)、アセチルコリン(M1・M3受容体に作用…

抗血小板と抗凝固薬の違い 女性ホルモンの影響

血栓の種類と薬剤 血栓は、動脈血栓と静脈血栓に分かれる。 動脈血栓は、血流が早い部位で形成され、主に血小板とフィブリンから成る。そのため白色血栓とも呼ばれる。治療標的は血小板のため、抗血小板薬を用いる。 静脈血栓は、血流が遅い部位で形成され、…

B型肝炎ウイルスとマーカー

B型肝炎ウイルスHBVの構造とマーカーの意義 HBVの構造は、内側から不完全二本鎖ゲノムDNA→コア(C)→カプシド→エンベロープ(E)→スパイクタンパク質(S) HBs抗原は一番外側のスパイクタンパク質で、これが検出されるということは現在の感染を表す。HBsの抗…

C型肝炎ウイルスと直接作用型抗ウイルス薬の作用機序

分子生物学の観点からC型肝炎ウイルスを捉えなおしてみました。 RNA1本鎖のプラス鎖・マイナス鎖 一本鎖RNAウイルスには、mRNAと同様に5'→3'末端方向に遺伝子がコードされているプラス鎖、 逆に3'→5'末端方向にコードされているマイナス鎖がある。 リボソー…

イナビル、タミフル、リレンザ、ラピアクタ、シンメトレルの違いと作用機序

まだまだインフルエンザのシーズンですが、その薬にはいろいろな種類があります。 インフルエンザの感染経路とメカニズム 神奈川県衛生研究所より引用飛沫感染:感染した人のくしゃみや咳のしぶき(飛沫)が鼻や口から侵入。 接触感染:感染した人が触ったも…

ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボン、ムコフィリン(去痰薬)の作用機序と使い分け

風邪のシーズンには毎日のように去痰薬が出ます。ムコダインやムコソルバン、ビソルボン。それらの違いはどこにあるのかまとめてみました。 構造式と作用機序 ・N-アセチルシステイン(ムコフィリン®)はシステインのアミノ基がアセチル化された構造を持つ。…

細胞接着因子と薬

細胞接着因子 セレクチン:糖鎖をリガンドとして細胞を接着する。白血球表面の糖鎖であるSLXと結合して、白血球のローリング(血管に結合して回転する過程)に関与。 ちなみに、SLXもCA19-9も糖鎖の腫瘍マーカー。つまり癌の浸潤にも関与しており、シメチジ…

アセトアミノフェン(カロナール)の作用機序・肝障害と薬物動態

アセトアミノフェン(カロナール)は頻繁に用いられる薬剤ですが、臨床で注意すべきポイントをまとめました。 アセトアミノフェンの作用機序 作用機序は、視床下部の体温調節中枢にてCOXを阻害⇒PGE2産生を抑制⇒セットポイントを下げ熱放散を増大させ解熱作用…

鎮痛剤NSAIDsの作用機序と免疫

鎮痛剤は使用頻度が高いですが、どう効くのか、何を知っておくべきなのかまとめてみました。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の作用機序はご存知の通りシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジン(PG)の産生抑制によるもの。 PGの作用 ①発…

Gタンパク質共役型受容体ゴロとシグナル伝達

薬剤師国家試験でも問われる生物の基礎部分で、かつ薬理や薬物治療にも関係してくるGタンパク質共役型受容体。 しかしどのアゴニストがどのGタンパクと共役してるのかなかなか覚えにくいですよね。ゴロを紹介します。 暗記するだけでは今後の国家試験に対応…

眠気のメカニズムとカフェインの作用機序 ノウリアストの作用機序

仕事中や勉強中に眠気に襲われることがありますが、一体どのように眠気がきているのか、調べてみました。 薬剤師国家試験の脳の構造とも関与してきますので、それぞれの部位がどんな働きがあるのか知ると覚えやすくなった記憶があります。 眠気のメカニズム …

プリンペランとナウゼリンの違いと使い分け 制吐薬(吐き気止め)の作用機序

プリンペランとナウゼリンの違いについて調べてみました。 嘔吐の病態生理と各制吐薬のメカニズム まずは嘔吐の生理的メカニズムを一緒に復習していきましょう。 「がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2011」より引用 嘔吐は延髄に存在する嘔吐…

高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)の作用機序と使い分け

高血圧治療に欠かせない薬剤であるカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)。 循環器内科や腎臓内科、神経内科や代謝内科で異なる種類の薬剤が出されますが、どんな特徴があるのか調べてみました。違いがわかると処方箋をみるだけでも得られる情報が増えて興味深いです…

ループ系とチアジド系利尿薬の違い

日常業務でよく目にするループ系とチアジド系。どんな性質の違い、どんな使い分けがあるのか再度学習しました。 ※前提知識として、各部位のナトリウム(Na+)再吸収の割合は、 近位尿細管で約70%、ヘンレ係蹄(ループ)で約15%、遠位尿細管で約7~10%、集…

ビグアナイド(メトホルミン)

米国糖尿病学会(ADA)も第一選択薬としているメトホルミンについて深堀してみました。生化学や有機化学とも大いに関連してきます。 構造と名前の由来 ビグアナイドという言葉は、『bi+guanidine』から来ています。biは2つのという意味を表し、2分子のグア…

SGLT2阻害薬とは

SGLT2阻害薬とは そもそもSGLTとは ナトリウムーグルコース共役輸送体:SGLT(Sodium-GLucose co-Transporter)は、細胞外(尿細管)の高いNa+濃度と、細胞内の低いNa+濃度の差によりNa+が細胞内へ入っていく力を原動力として、一緒にグルコースを細胞内へ…

ロキソニンと授乳

ロキソニンと授乳 授乳中の方が歯痛や頭痛、風邪などでの発熱など解熱鎮痛薬であるロキソニンを服用されることがあると思います。現代はネットで検索すれば薬の添付文書が見れる時代ですので検索すると、 下の画像のように ロキソニン錠60mg 添付文書よ…

グリメピリドとグリクラジドの違い

92歳の高齢女性が心筋梗塞をきっかけにグリメピリドからグリクラジドへ変更になっていた症例を経験したため、理由を調べてみました。 【薬物動態】 「症例から学ぶSOAPワークブック:薬剤師が行う薬物治療マネジメント」より引用 どちらも尿中未変化体排泄率…