薬剤師の日々研鑽

薬剤師の日々研鑽

医学部へ学士編入した薬剤師です。基礎的な内容と薬の関連について書いています。内容に関しては最新の情報を参照ください。

学士編入 志望理由書の作成

受験の際に大学に提出する志望理由書もしくは自己推薦書。なかなか書きにくいものですよね。

構成

・医学部を志望する理由
・これまで何を行ってきたか
・これまでの経験をどう医学に活かしていくか(将来像)
・なぜこの大学を選んだのか

志望理由書の書き方講座-3【スタディサプリ進路】
高校生向けですが、文章の構成がわかりやすいです。ここの「合格できる志望理由書」を参照してください。


医学部を志望した理由

これには客観的に納得できる、つまり論理的である必要があります。

医師の志望動機・例文 | 医師の仕事、なるには、給料、資格 | 職業情報サイトCareer Garden
ここの文章がわかりやすいです。

たとえば「私の生まれ育った地域は医師不足による産院の閉鎖が続き、故郷でお産をすることができない状況になってしまいました。少子化の問題を解決させるためにも、誰もが安心して地元で出産できるよう、産婦人科の医療体制の充実に貢献できる産婦人科医になりたいと考えています。」など、自分がその診療科を志望する理由をより具体的に述べることが大切です。

医師の志望動機・例文 | 医師の仕事、なるには、給料、資格 | 職業情報サイトCareer Gardenより引用

医師不足という医療での問題やニーズがあり、それに対して将来像を絡めてどう解決したいかが述べられています。


これまでの経験をどう医学に活かすか

これは自分がこれまで行ってきたことを振り返って、他の人には無さそうな強み、医学部の志望理由と絡められるポイントを発掘していきましょう。


なぜこの大学を選んだのか

非常に大事なポイントです。
大学のホームページを調べまくってもいいし、河合塾のWebで各医学部の特徴がまとめられているところから探ってもいいです。
「学士編入学制度を実施している大学の中で唯一~であったので、私の将来像である○○を実現するためにも~」とか、自分の強みや経歴、将来像とか割れられたら最高ですね。

学士編入の勉強 英語 おすすめの参考書

学士編入学試験の最重要科目である英語です。試験では、医学に関連した英語論文を読んで、設問に答えていきます。

おすすめ参考書

試験時間に対して論文の文章の数が多いので、早く読んで解答していく必要があります。
まずは読むスピードを高めるためにも、比較的簡単な分を確実に読み取れるように訓練しましょう。

左のページに英文、右のページに日本語訳が載っているので、すぐに答えを確認できる優れものです。
何より薄いし、安いし文句なしです。


文章が500語とか600語で構成されているのが書いてあるので、最低限求められるスピードである、「1分間に200語」を読めるようにしていきましょう。



早く読むためには語彙力も必要です。




実際の過去問を載せてくれてますが、著作権の関係で全訳を載せていません。
解答の作り方を確認するために使ってみるといいかもしれません。


実際の英語論文を読んでみる

PubMed
www.ncbi.nlm.nih.govで実際に気になる単語で検索して、出てきた論文を読んでみましょう。

薬剤師をしている方は、患者さんの飲んでいる薬をより適したものにするためにも論文を引いて、医師へ処方提案してみましょう。
そうすることで、速読力と迅速に要点をまとめる力を鍛えることができます。

学士編入の勉強 生命科学 おすすめの参考書

学士編入学試験の生命科学は、生化学・生理学・遺伝学・細胞生物学・免疫学・発生学など範囲が膨大です。
それぞれの教科書を準備するだけでも相当な手間とお金がかかります。


おすすめ参考書

薬剤師国家試験の対策に使われるものです。
生命科学の範囲をほとんど網羅しています。図も解説も充実しており、しかもリーズナブルな価格で入手できます。

中古のものであれば、おそらく元の持ち主が出版元の薬学ゼミナールでの講義を受けているため、講義でのコメントを書いてくれているので理解の助けになること請け合いです。

問題演習で理解度と定着度を確認

生命科学の問題の出題の仕方や考え方を把握しておくためにも、必ず問題演習を行った方がいいです。
これは間違いなく河合塾KALSの生命科学のテキストとワークブックが最強です。
ヤフオクやメルカリで落としましょう!

勉強方法

先に問題(KALSのテキストやワークブック)を解いて、何が問われるのか、どんな知識を覚えておく必要があるのかを最初に学びます。
そこでわからなかったことを参考書で理解していきます。

yakuzaishikensan.hatenablog.com
↑の記事でも解説していますが、解けないことが当たり前なので、うーんうーんと考えることに時間を費やすのではなく、すぐに解説を見て、何を覚えるべきか、どう考えていくのかを理解するのが早いです。


1周しただけではほとんど頭に残っていないので、繰り返す必要があります。
そのためにもさっくりさっくり、いわば適当にやって何周もすることが合格への近道だと思います。

医学部 再受験か学士編入か

医学部へ入り直そうと考えた時、その手段としてはセンター試験など一般入学試験を受ける再受験か、大学レベルの内容を問われる学士編入学試験かで迷うと思います。

一般入学試験

・倍率は低い(低いといっても~15倍)
センター試験+二次試験
・面接の重要性は低い(異常者を切るだけ)
・あまり併願できない

学士編入学試験

・倍率は高い(20倍前後)
生命科学+英語(大学によっては+物理+化学+数学)
・面接の重要性は高い
・試験日が重複しないかぎり併願可能

ほとんどの大学は一般教養過程をスキップして2年次から編入できます。

どちらを選ぶか

合格できる可能性で考えていくのがいいようです。
センター試験の国語の現代文、古文や漢文、日本史や世界史、そして二次試験の数学に苦手意識がないのであれば一般入学試験

生命科学系の大学を出ていて、英語論文を読み慣れているなら学士編入学試験

パルモディア®(ペマフィブラート)の特徴・作用機序

興和のパルモディア®(ペマフィブラート)が2017年7月に承認を取得しました。12月に発売予定のようです。
拙いですがなんとか読み解いていきます。ご指摘があれば宜しくお願いします。

パルモディア®(ペマフィブラート)の作用機序

PPARα(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体α)は主に肝臓や骨格筋に存在する核内受容体です。
PPARαは、リガンドからの刺激で他の核内受容体であるRXR(レチノイドX受容体)と二量体を形成し遺伝子に働きかけ、転写を促進または抑制します。

PPARαが活性化されると、
TGを分解するLPLを活性化&脂肪酸β酸化亢進 ⇒TG低下
HDLを構成するタンパクアポA-Ⅰの発現上昇  ⇒HDL増加

従来のフィブラートとの違い

パルモディアは従来のフィブラート系とは異なり、選択的にPPARαを活性化するため、脂質代謝に関わる遺伝子以外へは影響しにくくなっています。脂質代謝関連の遺伝子以外に作用すると、クレアチニン増加や肝機能検査値異常が起こります。

安全性

f:id:yashiki5296:20170930003645p:plain
パルモディア錠0.1mg インタビューフォームより引用

実際に、フェノフィブラートと比較してもその副作用頻度は低くなっています。

有効性

f:id:yashiki5296:20170930011844p:plain
パルモディア錠0.1mg インタビューフォームより引用

TGの低下率もフェノフィブラートより有意に大きいようです。

物理化学的性質

酸塩基解離定数

pKa=3.58と酸性

参照
H2O:15.7
CH3COOH:4.76
HCl:-8.0

分配係数

f:id:yashiki5296:20170930004108p:plain
パルモディア錠0.1mg インタビューフォームより引用

いずれのpH溶液でも脂溶性を示しています。


薬物動態的性質

代謝

主にCYP2C8、CYP2C9、CYP3Aにより代謝される肝代謝型。また、OATP1B1、OATP1B3の基質でもあります。

そのため、OATPの阻害薬であるシクロスポリンとリファンピシンと併用禁忌になっています。

その他、良く用いる薬の中では
CYP3Aが関与 ⇒クラリスロマイシン
CYP2C8が関与⇒クロピドグレル    これらが併用注意となっています。

排泄

f:id:yashiki5296:20170930004658p:plain
パルモディア錠0.1mg インタビューフォームより引用

70%超えの糞中排泄。
腎排泄ではないのに添付文書で軽度の腎機能障害のある患者に慎重投与となっているのは、「腎機能障害者に対する使用経験は限られているため、他のフィブラート系薬剤を参考に設定した。」とのことらしいです。


糖尿病網膜症への応用期待

フェノフィブラートは2型糖尿病患者への大規模臨床試験である「FIELD」と「ACCORD Eye」試験において、糖尿病網膜症の進展抑制効果が認められています。オーストラリアでは網膜症の進行抑制の適応が承認されています。
dm-rg.net

同系統であるパルモディアにもこの適応追加が期待されます。

効率の良い勉強法

幸運なことに、薬学部一般入学試験・薬剤師国家試験・医学部編入試験を一発で通過してこれました。
勉強法について尋ねてくださる方が多いので、自分の勉強法について振り返ってみました。

細部にこだわらずに大枠から理解していく

f:id:yashiki5296:20170929230641p:plain
カロナール錠 添付文書より引用

見慣れた添付文書ですが、これだけ文章が詰まっていると読む気がしませんよね。
最初から読み進めていくというのは大変な労力です。
そこで、まずはどこの部分に何が書いてあるのか、という大枠を把握していきます。

具体的には、見出しや文章の構造、文章と文章の関係性を斜め読みしていきます。
「副作用、過量投与、適用上の注意、その他の注意とかが書いてあるんだなぁ」

「副作用は重大なものが6つに分けてあるな」

「過量投与とその他の注意のところも3つに分けてあるんだ」


という風に、頭の中に枠を入れてから、後から細かいところを頭に入れていきます。


他の例では、抗菌薬を勉強していく際に、
ペニシリン系  ⇒腎排泄型
セフェム系   ⇒腎排泄型
ニューキノロン系⇒肝代謝

というように、系統ごとに腎排泄型か肝代謝型かを覚えていくのもいいですが

もっとざっくりと、有機化学の知識を用いて水溶性か脂溶性で抗菌薬の種類を分けると、
脂溶性(ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系)⇒肝代謝
水溶性(βラクタム系、アミノグリコシド系、グリコペプチド系) ⇒腎排泄型
というのを覚えやすいです。


このように、他の知識と関連させていくと覚えやすくなりますし、業務中でも自分で考えられるようになります。

サクサクと繰り返すこと

繰り返しインプットすることでシナプス間の伝達効率が上昇し、記憶に定着しやすくなります(長期増強)。
一言で言うと、番組の間で何度も見させられるコマーシャルの歌は意識せずとも覚えてしまう現象です。



繰り返しが苦にならないようにするコツは、「できていてもできていなくても一喜一憂しない」。
「問題が解けない」とか、「覚えたはずなのに」と自分を責めてしまってやる気が削られていくので、その時は「分かっていないところがわかったんだ」と前向きに捉えるように心がけています。


サクサクと解き進めていったり、覚えていきます。
解けないならそれ以上は立ち止まらずに解説なりを見て、答えに至るまでの考え方や内容を染み込ませていきます。


わかっているか確認する方法

年下の人達に内容を噛み砕いて説明するように1人で解説してみる。(「ファインマンテクニック」)
わかっていない箇所は人に説明できないのですぐわかります。
「わかっているところ」と「わかっていないところ」を分けて、「わかっていないところ」を繰り返して記憶に定着させていくことで全体の理解度が上がっていきます。



おすすめ参考文献

上記のことはこちらの本に細かく、実践的に書かれています。
何かしからの試験を受験する方には強くお勧めします!

薬剤師と医学部学士編入

医学部の学士編入試験に合格し、医学生として学んでいます。

薬剤師が学士編入試験に有利である点を考えてみました。

学士編入試験で問われる科目を履修している

学士編入学試験では、主に生命科学と英語が問われます。

生命科学は、高校の生物・化学・物理に加えて免疫学、遺伝学、生化学、生理学、細胞生物学、分子生物学などの知識が出題されます。
一度履修しているため、理解に要する時間は少なく済むメリットがあります。
薬剤師国家試験の生物の範囲がこれをほとんど網羅しています。

薬剤師業務が試験にも役立つ

薬剤師として薬物治療に貢献しようと、論文を読んでエビデンスを確かめ、医師に処方提案をしていたことで、英語論文を短時間で読み、内容をまとめる能力を身に付けることができました。

また、日常的に触れる薬の作用機序を掘り下げて学んでいくことで、生理学や薬理学、生化学、細胞生物学などの復習にもなり、横断的な知識を手に入れることができます。

受験勉強時にも、薬剤師のアルバイトや派遣として働くことで、人並みの収入を持ちながら勉強を進めていくこともできます。